寒いけど不思議なお話しかな?
父方の祖父は血の繋がりがないんです。
祖母が愛人というお立場でしたから。
父方の祖父も幼い頃から可愛がってくれました。
私が小さな頃は料亭をしてました。
それが気づくと雀荘になってました。
私のお料理を「美味い!美味い!」とよく食べてくれてました。
「ええ子じゃ」と…よく言ってくれてました。
私は余り…口数が多くなくと言うか…「はい」「うん」「ありがとう」しか言わない…^_^;
そんな私をよく呼び出すんです。
「ちょっと来てくれ」
「ちょっと手伝ってくれ」
とか…。
そして用事は大抵なく…
お小遣いを渡そうとするんです。
ある日私は
「お小遣い欲しいから来てるんじゃないよ!」
と…可愛くないことを…^_^;
「わしがあげたいんじゃ!」
お…そう来たか…と。
で、考えました。
お祖父ちゃまにグレーのベレー帽をクリスマスのお料理と一緒にプレゼントしました。
お祖父ちゃまのお部屋の片面の壁は宇宙柄でした。
私はその場所が好きでした。
お料理といつものように台所に持って行きお茶を持って来たお祖父ちゃまが突然…
「ええか、どんなことあってもそのままのおまえでおるんで。どんなことあっても時代のせいにして擦れんのんで。」
こんなことお祖父ちゃまに言われたのは始めてで…
「分かりましたが…どうされたの?」
お祖父ちゃまはニコニコ笑顔でした。
それからしばらくして。
私が眠ってると。
お祖父ちゃまが部屋の角に立ってました。
「わっお祖父ちゃま!びっくりするじゃない!どうやって入って来たの?」
お祖父ちゃまはプレゼントしたベレー帽を被ってました。
「ええこじゃホンマにええこじゃおまえは…。」
「お祖父ちゃま?」
「…さよなら」
と…お祖父ちゃまはまるで空間に吸い込まれるかのように消えました。
お家の電話が鳴り響き。
父が慌てて私のお部屋のドアを開けました。
「お祖父ちゃま亡くなったの?」
私が聞くと。
「来たのか?親父…」
と、父はドアを閉めました。
父は本当の父のように慕い大切にしてたお祖父ちゃまでした。
私にも本当のお祖父ちゃまのようでした。
私は二人のお祖父ちゃまに愛されて育ったと思ってます(^^)
祥嘉