自分を裏切らないということ
「自分を裏切らない」と聞くと、どんなことを思い浮かべますか?
一度決めたことを最後までやり遂げる。
途中で諦めず、初志貫徹する。
もちろん、それもひとつの考え方です。
でも、私は「自分を裏切らない」ということは、必ずしも最初に決めたことを貫き通すことではないと思っています。
人の気持ちは変わります。
状況も変わります。
最初は正しいと思っていたことが、時間がたつにつれて違うと感じることだってあります。
そんなとき、意地になって最初の決断にしがみつく必要はありません。間違いに気づいたなら、方向転換したっていいのです。
では、自分を裏切らないとは、どういうことなのでしょうか。
それは、自分との約束を大切にすることではないでしょうか。
たとえば、本当は嫌だと思っているのに、嫌われたくなくて引き受けてしまう。本当は休みたいのに、周囲の期待に応えようと無理をする。本当は挑戦したいのに、失敗が怖くて「自分には無理だ」と諦めてしまう。
こんな経験はありませんか?
もちろん、いつも自分の思いどおりにできるわけではありません。人との約束もあれば、果たさなければならない責任もあります。自分の気持ちだけを優先できない場面もあるでしょう。
それでも、自分の本当の気持ちをなかったことにし続けていたら、いつの間にか自分が何を望んでいるのかさえ、わからなくなってしまうかもしれません。
だからこそ、自分の気持ちに耳を傾けてほしいのです。
「本当はどうしたい?」
「何を大切にしたい?」
「今の選択は、自分が納得できるもの?」
そんな問いかけを、自分自身にしてみてください。
そして、自分で決めた小さな約束を守ってみる。
今日は少しだけ自分のための時間をつくる。
言いたいことを、落ち着いて伝えてみる。
やってみたいと思ったことを、ほんの少しでも始めてみる。
大きな決断でなくてもいいのです。
自分の気持ちを無視せず、自分で決めたことを少しずつ実行していく。その積み重ねが、自分への信頼につながっていきます。
もし約束を守れなかったとしても、自分を責める必要はありません。できなかった理由を振り返り、必要なら約束を見直せばいいのです。自分を大切にすることは、自分に厳しくすることだけではありません。ときには、自分を許すことも必要です。
あなたは、自分との約束を後回しにしていませんか?
誰かを大切にするように、自分のことも大切にできていますか?
自分を裏切らないということは、何があっても自分を変えないことではありません。変わってもいいし、やり直してもいい。それでも、自分の気持ちを置き去りにしないということ。
誰かに認めてもらうためだけに生きるのではなく、自分自身が納得できる人生を歩んでいく。
そのために、まずは自分との小さな約束から、大切にしてみませんか。
