いい人が居ないと嘆く前に
「いい人がいない」
恋愛の相談を受けていると、そんな言葉を耳にすることがあります。
出会いがない。出会ってもピンとこない。条件は悪くないのに、好きになれない。反対に、好きになった相手とはうまくいかない。
そんなことが続くと、世の中には自分に合う人なんていないのではないか、と思ってしまうこともあるでしょう。
でも、そんなときこそ、一度考えてみてほしいのです。
あなたにとっての「いい人」とは、どんな人ですか?
優しい人でしょうか。
経済力のある人、容姿の整った人、話が合う人、価値観が似ている人でしょうか。
もちろん、相手に求める条件があるのは自然なことです。結婚や将来を考えるなら、生活の安定や価値観の一致も大切な要素になります。
ただ、ここで少し考えてみてください。
自分にとって都合のいい人を、いい人だと思ってはいないでしょうか。
自分の話をいつも聞いてくれる。自分の気持ちを優先してくれる。自分の望むように行動してくれる。そんな相手なら、一緒にいて心地よいかもしれません。
けれど、相手にも気持ちがあり、考えがあり、望んでいることがあります。
自分の希望をかなえてくれる人が、必ずしも自分にとって本当に相性のいい人とは限りません。
大切なのは、相手がどんな人なのかということだけでなく、その人と一緒にいるとき、自分がどんな自分でいられるかということではないでしょうか。
無理に背伸びをしなくてもいい。気を遣いすぎなくてもいい。意見が違っても話し合える。困ったときには支え合い、うれしいことは一緒に喜べる。
そんな関係なら、最初から理想の条件をすべて満たしていなくても、時間をかけてかけがえのない存在になっていくかもしれません。
そして、もうひとつ忘れてはいけないことがあります。
それは、自分が相手に何を求めるかだけでなく、自分は相手の何に応えられるのか、という視点です。
安心できる関係を求めるなら、自分も相手に安心を与えられるだろうか。理解してほしいと思うなら、自分も相手を理解しようとしているだろうか。大切にされたいと思うなら、自分も相手を
大切にできているだろうか。
これは、自分を犠牲にして相手に尽くすという意味ではありません。どちらか一方だけが頑張る関係ではなく、お互いに相手を思いやり、無理のない形で支え合える関係を考えてみよう、ということです。
人は誰でも、長所もあれば短所もあります。自分の理想に完全に当てはまる人を探し続ければ、いつまでも「いい人がいない」と感じてしまうかもしれません。
だからこそ、相手を条件だけで判断するのではなく、その人の人柄や、自分との関係の中で生まれるものにも目を向けてみてください。
いい人がいないのではなく、もしかしたら、いい人を見つけるための基準を少し見直す時期なのかもしれません。
誰かに幸せにしてもらうことだけを望むのではなく、誰かと一緒に幸せを育てていく。
そんな視点を持てたとき、これまで気づかなかったご縁が見えてくることもあるのではないでしょうか。
