人はそんなに強くない
「自分の居場所は、自分でつくるもの」
そんな言葉があります。
確かに、その通りだと思います。
誰かに居場所を与えてもらうのを待つのではなく、自分から人と関わり、自分らしく生きられる場所をつくっていく。
それは、とても大切なことです。
「置かれた環境で頑張りなさい」
そんな言葉もあります。
今いる場所でできることを考え、簡単にあきらめないことも、もちろん大切です。
でも――
人は、そんなに強くありません。
いつでも前向きでいられるわけではない。
どんなことにも立ち向かえるわけではない。
傷つけば、立ち上がれない日もある。
疲れれば、何もしたくなくなる。
誰かに支えてほしいと思うこともある。
それは、弱いからではありません。
人間だからです。
それなのに私たちは、弱さを見せてはいけないと思ってしまいます。
「もっと頑張らなきゃ」
「こんなことで弱音を吐いてはいけない」
「自分で何とかしなくちゃ」
そうやって、苦しい自分をさらに追い込んでしまう。
でも、本当に必要なのは、弱さをなくすことなのでしょうか。
私は、そうではないと思います。
「今の私は、ちょっと疲れているんだな」
「本当は、怖かったんだな」
「もう頑張るのがしんどいんだな」
そんなふうに、自分の弱さをそのまま認めてあげること。
弱い自分を責めるのではなく、
「そうだよね。つらかったよね」
「よくここまで頑張ってきたね」
と、自分に寄り添ってあげること。
それも、自分を大切にするということなのだと思います。
そして、弱いときには、人の力を借りてもいい。
誰かに話を聞いてもらってもいい。
助けてほしいと言ってもいい。
今いる場所から離れてもいい。
しばらく休んでもいい。
逃げることも、休むことも、誰かを頼ることも、決して負けではありません。
「自分の居場所は、自分でつくる」
それは、自分ひとりで頑張って居場所をつくらなければいけない、という意味ではないのです。
誰かに支えてもらいながらつくってもいい。
今の場所がどうしても苦しいなら、別の場所を探してもいい。
大切なのは、
「私は、どこにいると安心できるんだろう」
と、自分の心に聞いてあげること。
人は、強いから生きていけるのではありません。
弱い自分を抱えながら、誰かに支えてもらいながら、それでも少しずつ生きていく。
それでいいのです。
だから、もし今、頑張れない自分を責めているのなら、
「もっと強くならなきゃ」
ではなく、
「私は、今の私のままでいい」
と、一度自分に言ってあげてください。
強くなくてもいい。
泣いてもいい。
迷ってもいい。
立ち止まってもいい。
弱い自分も、怖がっている自分も、誰かに甘えたい自分も、全部あなたです。
その自分を切り捨てるのではなく、ちゃんと抱えて生きていく。
自分を強くすることより、自分の弱さに優しくなってあげる。
それだけでも、人生は少しずつ変わっていくのだと思います。
あなたは、もっと頑張らなくてもいい。
今まで頑張ってきた自分を、まずはそのまま認めてあげてください。
