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子生龍命先生

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命の蝋燭

子生龍命です。



学生の頃、お世話になった教授がしてくださった話、確か中国のお話だったと記憶しているのですが、とてもとても不思議なお話だったので強く記憶に残っています。



ざっとこんなお話でした。



あるところに少年が住んでいました。

その街に流れの占い師がやって来て、少年の顔を見るなり真っ青になって両親に

「可愛そうに。この子の寿命はあとわずかだ」

と告げました。

両親は深く嘆き悲しみその占い師に

「なんとか息子を助ける方法はないのですか?」

と尋ねました。



その占い師は暫く考えてから

「この街から北へずっとずっと歩いていくと、老人四人が麻雀をしている。何も言わずにこの老人たちの世話をさせなさい。話しかけられるまで何も言ってはいけない」

両親は藁をもつかむ心境でこの占い師の言う通りに少年を旅立たせました。



少年は言われた通り、独りでどんどんどんどん歩いて行きました。

かなり歩いた先にその占い師が言った通り四人の老人が麻雀をしていました。



老人たちは少年をチラリと見ただけで、また麻雀を続けました。

やがてそのうちの一人の老人が

「酒」

と盃を出したので少年は黙ってお酌をしました。

「ワシもじゃ。」

もうひとりの老人も盃を差し出しました。

こんな風に食べ物を要求されたらその通りにし、一晩中その老人たちのお世話を黙ってしました。



陽が昇るころようやくその中の老人がその少年の顔をじっと見て言いました。

「可愛そうに。お前の寿命は切れかかっておる。」

そして

「お前は一晩中、一言も文句も言わずにワシたちの世話をしてくれた。礼をせねばならんのう。こっちへ来なさい。」

と少年を洞窟に連れて行きました。



その洞窟には何千いや何万もの蝋燭が輝いていました。ある蝋燭は燦然と輝き、ある蝋燭は今にも消えそうでした。

「この蝋燭は人間の寿命なのじゃ。この長い蝋燭は生まれたばかりの赤子の寿命。そしてこちらの消えかかっている短い蝋燭は明日死ぬ老人のものじゃ。」



「そして、この蝋燭がお前の寿命じゃ。」

少年が見るとその蝋燭は今にも消えそうでした。

「お前の寿命を延ばしてやろう。」

老人は慎重に太い立派な蝋燭に火を移して消えかけた蝋燭と交換しました。

「これで良い。お前は両親の元にお帰り。」

少年は老人たちにお礼を言って街の両親の元に帰りました。



その後、少年は長生きをし天寿を全うしたということです。



この話を聞いた後だったか、前だったか忘れましたが可愛がってくれていた先輩が突然、事故で亡くなりました。



死ぬということはずいぶん先の話だと思っていたので凄いショックを受けました。

そして人の寿命って最初から決まってるのかも、と思ったものです。



あなたは今、大好きだった人にフラれたり、人間関係に悩んでいたり、仕事が上手くいかなかったりしているかもしれません。

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子生龍命⭐️

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