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黄鈴先生

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想い出と牛丼

想い出と牛丼

おはようございます。黄鈴です。



今朝は寒かった。だって、桜の木がいそいそと紅葉を始めているんですもの。

高揚・・・いや、紅葉したくなるくらいの寒さか。

寒い朝でした。



昨日の夜。



友人と牛丼を食べていました。

しかも、新発売、期間限定のアボガド牛丼。

サラダとしじみの味噌汁つけて。





「私、アボガド好きだから、このアボガド牛丼食べよ」



友人

「アボガド牛丼とー。サラダとー。しじみの味噌汁とー」





「・・・多くね?」



友人

「サラダが食いたい」



しじみの味噌汁はなんなんだ。でも全部合わせても710円か。

すぐに到着。

牛丼らしからぬスパイシーな香り。



友人

「45歳で逝くのって・・・若いなあ。

 末期がんでも、ギリギリまでヘルパーとして働いてたって旦那さん言ってたよね」





「あすこの家は、旦那さんがあちこちの団体で活動してたけど、必ず奥さんも一緒で、手伝いしてたよね。

 ヘルパーやりながら、あそこまでよく頑張ったもんだよね」





しじみの身が殻にくっついてなかなか外れない。冷凍だからなのか、どうしてなのか、小粒だからだろうか。

でもこれだけしじみが入っていたら肝臓としてはヒャッハーだろうか。







「あのさあ、会場に100人くらい人が入ったと思うんだけど、入れなかった人ってどんだけいたのよ?」



友人

「うん。会場に入れたのって一部じゃないの。

 あとはみんな廊下にいっぱいいて、終わるのを待ってたよ。」





「会場、広いの取ればよかったのになあ。」



友人

「こればかりはわからないべ。

 今日来ていた人の中に、義理とか、○○さんの奥さんだから、という理由で来てた人はいないと思うよ。

 みんな気持ちできてんだな、って思った」





友人は、早々にさじを使い、ガガガガガッ!!と勢いよく口にかきこんでいた。

いつから牛丼は飲み物になったのだろう。



友人

「私より若いのにな。

 がんは怖いな。

 喪主挨拶、廊下に旦那さん出てきてみんなに挨拶していたよ」





「旦那さんも同じ年だから若いよね。うちらは仲間だから、できることはみんなでフォローしないとなあ。」





サラダを食べようと思ったら、味が無い。

なんと、メニューの裏に、3種類もドレッシングが。

3つ渡したら、友人は1本1本紙ナプキンで拭いてから使っていた。

私は和風ドレッシングだったんだが、やっぱり中身が垂れる。・・後の人のことを思って、私も紙ナプキンを使う。





友人

「久しぶりに会えたと思ったら、葬儀の場か」





「もっと違うところが良かったな」



友人

「いやあ・・・・。亡くなったのは残念だ」





礼服姿の女二人、牛丼屋で故人を偲びながら、アボガド牛丼、サラダと味噌汁セットを食べる。



それも私たちの人生に刻まれる。



亡くなるという事はこの世での時間が止まって、次に行くということかな。



ダイエット中だというのに腹パンパンになりながら、私は急に冷え込んだ外気を浴びながら、友人と別れた。





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