ひよこを手にするようにフワッと握る。
ひよこを手にするとき、あなたは、どんなふうにつかみますか?
きっと、フワッと優しくつかむのではないでしょうか?
ギュッと強く握ったら、どうなるでしょうね・・・
そう。ひよこは、死んでしまいますね。
では、あなたが恋愛するときは、どうでしょう。
彼のことを、ギュッと強く握ってしまっていませんか?
そんなことをすれば、彼は、窒息してしまうので、あなたから、這々の体で逃げ出すことでしょう。
もしかしたら、物理的には、逃げ出さないかもしれません。
しかし、あなたの隣に居つづけながら、心は逃げ出しているかもしれないのです。
あなたと一緒にいることに対してかかるコストが、「彼が不自由になること」であるならば、彼が、あなたと一緒にいて、心から幸せになることは、本質的に不可能でしょう。
「彼とあなたが恋愛関係にある」ということは、「彼とあなたが特別な関係にある」ということです。
たしかに、それは、そうなのです。
しかし、だからと言って、あなたが、この原則を振りかざし、彼の自由を大威張りで奪いつづければ、彼の心は、あなたから少しずつ離れていくかもしれません。
下手をすれば、あなたと一緒にいること自体が、苦痛に満ちたものになってしまう可能性すらあるのですから、怖ろしいことです。
大切な彼だからこそ、つい、ギュッと強く握りたくなる気持ちは、分かります。
「こんな素敵な男性とは、今後、一生、出会うことはないだろう・・・」という確信が、あなたの心の中に大きく存在していればこそ、彼のことを決して逃すまいと絶対的に独占したくなります。
そうではありませんか?
しかし、決して失ってはならぬ人の手を強く握れば、かえって、その大切な人を失ってしまうのですから、恋愛というものは、なかなかに難しいものです。
彼に対して、よかれと思って、要求をしすぎていませんか?
知らず知らずのうちに、彼の時間を奪いすぎてしまっていませんか?
彼に対して、つい、彼の自尊心への配慮がない「お説教」をしてしまっていませんか?
これらは、皆、ひよこを手にするとき、ひよこをギュッと強く握ってしまっているのと同じことなのです。
あなたと彼との関係性は、生まれたてのひよこのように繊細なものです。
ちょっとしたことで、「完全に壊れてしまう」というところまではいかないにしても、本質的なところに、大きなひびが入ってしまいかねない危ういものなのです。
恋愛に際して、こうした自覚と危機感というものは、是非、持っていた方がよいと思います。
独占欲は、ほどほどに・・・
彼と付き合うコツは、「ひよこを手にするようにフワッと握る」です。