気になる相手の気持ちを知るためのヒント
「気になる相手の気持ちを知りたい!」
今日は、そんなふうに思われる方へ向けて、気になる相手の気持ちを知るためのヒントとなるようなお話しを、少ししてみたいと思います。
気になる相手の気持ちを知るために、まず知っておかなければならないことは、物の見方や考え方というのは、性別・年代・生い立ち等、個々人によって、大きな差異があるということです。
私が、このように申し上げれば、「そんなことは、分かっている!いつもそうした視点から人を見て、判断している!」とおっしゃる方が多くいらっしゃるかもしれません。
しかし、私が、数多くの方と恋愛にまつわるお話しをさせていただいた経験から申し上げますと、実際には、かなり多くの方が、自分自身の見方から相手の気持ちを素朴に推測しようとされる方が、大変に多いのです。
いちばんよくありがちなことは、「彼の気持ちを知りたい」と考える女性が、女性的な感性やものの見方から、彼の気持ちを推しはかろうとするというパターンです。
男性の気持ちを、より正確に推しはかるためには、「男性の視点から世界を見たら、どのように見えるだろうか?」と考えなくてはなりません。
もちろん、ひとくちに「男性の視点」と言っても、様々な男性がいるわけで、個々人によって、大きな違いがある場合も少なくありません。
けれども、「男性が10人いたら、6〜8人までは、大体、このような見方や感じ方をするものだ」という、「ある程度の傾向性」というものは存在します。
相手の気持ちを知ることに長けている人は、こうした一般的な傾向性を踏まえながら、その人独自の個性を探り、微調整を加えながら、相手の持っているであろうものの見方や感じ方に接近していきます。
人は、同じ世界にいても、同じものを見ているようで、同じものを見ていません。
人は、同じ世界にいると、当然、自分と同じような感想を持っているだろうなと、無意識に考えてしまいがちなのですが、同じ世界にいても、実際には、人によって全然違った感想を持っていたりするのです。
ある人が、同じ世界にあって「これはピンチだ!」と落胆している中で、別のある人は「これはチャンスだ!」とほくそ笑んでいたりするのです。
あなたの気になる相手は、あなたとどれだけ異なったものの見方をしているでしょうか?
人には、誰しも希望や期待というものがあります。
好きになった人に対しては、特にそうです。
しかし、この相手に対する希望や期待が、相手をより正確に見極めるための目を曇らせてしまうということが多くあります。
誰しも、感情を持った生身の人間ですから、こうしたバイアスを完全に払拭することは不可能だとしても、このことを頭の片隅に意識しておくだけで、気になる相手に対する見極めの正確さには、天と地ほどの差が生まれてきます。
「男だったら、どう感じることが多いだろうか・・・」
「この世代だったら、どう考えることが多いだろうか・・・」
「この人の生い立ちだったら、どのように考える可能性があるだろうか・・・」
などと、なるべく多くの基準を重ね合わせながら、暫定的な仮説を立ててみるのです。
そうした仮説を踏まえて、気になる相手と、さりげない会話が、ひとつでもふたつでもできたとすれば、その後、この暫定的な仮説を、さらに修正していくことができるのです。
これを、長期にわたって繰りかえしていけば繰りかえしていくほど、あなたの彼に対する見方は、より精度を増していきます。
これまでは、何となく彼の気持ちを推しはかっているに過ぎなかったかもしれません。
しかし、これからは、こうした手順を踏みながら推測や仮説を修正したりブラッシュアップしていったりするようにしていけば、あなたの推測が「何となく」といったあやふやで山勘的な推測であることをやめ、「根拠や論拠のある推測」になってくるわけです。
ここに大きな違いが出てきます。
人は、自分の見たいように人や世界を見たいし、そのように見てしまうことが多いですね。
自分の見たくないような見方で、あらためて相手を見る作業は楽しくないばかりか、しばしば苦痛を伴います。
だから、人やものを正確に見るのは、難しいのです。
どうしても甘い見方をしたくなってしまうという罠が、ここにあります。
けれども、これを裏返して言えば、苦痛をこらえて、「自分の見たくないような見方で、あらためて相手を見直してみる」ということができれば、相手の気持ちを、鋭く見抜くことできるようになるということです。
相手の気持ちを、冷静に、鋭く見抜くことに成功すれば、あなたは、彼に対するあなた自身の行動を、あなたの考える「成功」に向けて、より正しくコントロールしていくことができるようになるでしょう。
―あなたはあなたの見方で世界を見、あなたの気になるあの人は、あなたの気になるあの人独自の見方で世界を見たり、感じたりしている。
この当たり前すぎるほど当たり前の前提を、常に頭の片隅に置いておき、気になる相手のものの見方や感じ方を、深くえぐるように見極めていくようにしましょう。