他者を当てにしない。自分を当てにする。
人は、社会の中で、生きています。
会社、アルバイト先、学校、サークル等々、人それぞれに、様々な人間関係の中で生きています。
多くの方が、この「人間関係」というもので、悩みを抱えています。
特に、経済的な利害の絡んだ会社での人間関係は、大きなストレスとなって、心身に深いダメージを与えます。
会社で人間関係が上手くいかない原因は、必ずしも、あなたにばかりあるわけではないでしょう。
あなたが、どんなに善意と誠実さをもって他者に対峙したとしても、悪意に満ちた行為でしか返せないおかしな人も、世の中には、たくさんいます。
もちろん、そういう明らかにおかしな人達に対して、「それはおかしい!間違っている!あなたは、それを正すべきだ!」という真っ当な声を上げてもよいのですが、私は、あまりそれを皆さんには、オススメしません。
間違っていることに対して、勇気をもって「間違っている!」と立ち上がることは、なるほど、真っ当で、立派な行為だとは思います。
しかし、問題は、世の中というのは、右を向いても左を向いても、おかしな人だらけだということです。
いちいちおかしな人だからと騒動を巻き起こしていては、一歩家の外を出る度に、他者の間違いを指摘してまわらなければならなくなり、正しいことを叫ぶだけで、あなたの貴重な一生が終わってしまうでしょう。
もちろん、それで、お腹の底から満足できるというのならよいのですが、おそらく、「人の誤りを指摘し、正すために自分は生まれきたのだ!」という強い信念をお持ちになっている方は、ごく僅かでしょう。
これをお読み下さっている多くの方が、「自分は、幸せになりたい」とか「自分の幸せを追求したい」とか「自分の愛する人を幸せにしたい」と考えていらっしゃるのではないでしょうか?
そうだとすれば、常に、「私の周りの○○は、あるいは、他者の誰それは、このように間違っている!」などと、日々、自分自身を取り巻く環境や他者に対して、批判をしたり、ツッコミを入れたりし続けているということは、あなた自身のエネルギーを無駄遣いしていることになるのです。
ある種の人々は、自分自身を取り巻く環境や他者の振る舞いや言動に対して、なぜ、愚痴を言ったり、批判的な言動を口癖のように繰り返し、ツッコミを入れ続けているのでしょうか?
それは、心のどこかで、他者とつながりたいと思っているからです。
基本的に、他者に対して、何らかの期待をしているのです。
しかし、他者は、自分の考え方や感覚とは、異質なものを持っている。
当然ですね。自分とは異なる「他者」なのですから。
他者なのですから、価値観や感覚が違っていて当然であるにも関わらず、自分自身と違う価値観や感覚を持つ者が目の前に現れると、それを許すことができない。
自分自身の価値観や感覚は、常識に則ったものであると、多くの人が、無意識のうちに信じているからです。
他者に対して、常に批判的になったり、ツッコミを入れてばかりいる人のメンタリティが、だんだんと見えてきましたね。
ツッコミ屋さんは、基本的に、他者とつながりたいと考えている。他者を当てにしている。
しかし、価値観が違うから、「当てにできない」。そのことにいら立ちを感じているわけです。
では、愚痴っぽい人や、ツッコミ屋さんにならずに済むためには、どうしたらよいのでしょうか?
それは、基本的な心構えとして、「他者を当てにしない」ようにすることです。
そして、「自分自身を当てにする」ようにすることです。
他者の力を借りられるときは、もちろん、借りても構いません。
他者とつながれるならば、つながりましょう。
私は、他者との関わりを断ち切った偏屈な人間になることを勧めているわけではありません。
いつでも、「自分自身」、「自分一人」という在り方に帰ってこられるような心構えを持つことを勧めているのです。
自分一人という在り方に帰ってこられるような心構えを持つことができるようになると、感情に振り回される程度が、それまでよりも、格段に小さくなります。
そして、感情に振り回されることが少なくなってくると、自然に、自分が元々持っていた理性が働きはじめ、冷静で賢明な言動や行動を取れるようになってきます。
口を開けば、お茶請け代わりに愚痴やツッコミ話を繰り返す癖を、この先ずっと長く続けていくよりも、遥かにマシな自分になることができます。
よき運勢は、愚痴や他者に対する批判を繰り返す人よりも、賢明な言動や行動を取れる人の側に向いてくる傾向があります。
あなたを取り巻く環境や、あなたを取り巻く人々に対して、あなたが取る言動や行動を制御することは、あなた自身の運をよくするための有力な方法のひとつです。
自分自身の言動や行動が、ネガティブなものになっていないかどうか、ときどき、チェックしてみて下さいね。